Wednesday, September 16, 2009

『遊牧民の歌』より

Mongolia
E.メンドーヨ-
E.Mend-Ooyo

『遊牧民の歌』より From Nomadic Lyrics

天国と燕

青い草原に蜃気楼 天の街のよう
私の先祖は永遠に天国にいる
燕たちは 寂しい草原の上にとどまり
私を迎える 父の国へと
濃い青い霧が空に垂れ込める
燕たちは先頭を切る 孤独にめげず 翼をはためかせ

新たな牧草地

冬の初めの広い青い空から
カッコー鳥の歌が響き渡る
願わくは 我々が解放されることを
非在から生まれた この体から
そしてやすらぎの 輝く器に辿り着くことを

千年昔の ナガホハネガヤの丘の上
私は馬に乗っているようだ 丘のいななきは銀のトランペット
千年は経ってはいない この丘の上でも 
私はいまだ見る 馬のこの輪郭の力を

朝 輝く光は満ちあふれる
太陽の光は 私の目に注がれる 体への捧げ物
光線は世俗の塵と汚れを追いやる
願わくは 太陽の光が万物を解放し清めんことを

馬が振り落とすと 露はかがやく
一羽の燕がサラブレッドの馬の耳をかすめて飛ぶ
馬のいななきは雌馬を呼ぶ声ではないーー
それはこころの呼び声 遠く離れた願望への

太陽の軌道は青空に影を作る
汗の歩みは草原を包囲する 
牧草地の花は 芳香の体を逸らす
燃える糞の煙は頭上に立ち上る

大昔 祖先たちは
咆哮の駱駝を移動させた 牧草地の間を
彼らは掘った 青銅の矢尻で
そこに眠った 何年も ナガホネガヤの下

頑強な荷車の車輪も花々を折ることはない
鳥たちは卵を押し潰し 馬の蹄に道を譲る
動物たちは平和を喜ぶ 苦しみのないーー
他にこのような素晴らしい国はない

私達は琴を奏でた 八十年の木影の中で
私達は歌をもぎ取った 最後の苦しみのあえぎから
私達はたくさんの青い鶴のよう 塩辛い大海原を飛ぶ
繰り返し立ち止まる 七つの菩薩の下で

私は知った 鳥たちと願望の飛翔を
私は見た 星々と人々の道を
私は守護霊の場所に座った 小屋の火の中
私は辿り着いた 中心に 私は見出した 浄化を

古寺の上の月

月は昇る 古い寺の上に
光は屋根飾りを金色に染める
竹笛から流れゆく音曲
こころは満たされる 再び 遠い郷愁に

雑草は石の間から生い茂る
その道は 菩薩が集まった場所
菩薩はどこへ行ったのか
月光は輝く 時間の彼方から

月は昇る 古い寺の上に
光はあらゆるこころの中で輝く
竹笛は私を運び去る 悲しみの彼方へ
呼び覚ます 仏陀の遠い光

寺の影は意味を投げ掛ける
古代の墨の中に消え去る 言葉のように
人間の悲嘆の影の上に
射す光はない 人間の蝋燭では

仏陀の御姿は輝く
最も微細な塵の中にも
竹笛の曲には 天国がある
月は 古い寺の上に昇っていく

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